第十話 【長い1日になりそうだ…】 [私生活日記]

雪が降るようになってきた。

流石北海道とでも言うべきか、気温が低く
吐く息は白い。


脱臼「寒いな…」


タバコをくわえながら、脱臼はアパートの外で
人を待っていた。

服装は何時もと違って黒の喪服…






3日ほど前だったか、幼なじみから珍しく
電話がきた。


脱臼「どうした?珍しい。」

友人「脱臼…A君の事覚えてる?」

脱臼「そりゃあ、最近一緒に飲みにもいったし
   覚えてるよ。…何かあったんか?」

友人「A君…事故に遭って…その…」


友人の声が涙声に変わったことで
脱臼は全てを察した。


脱臼「どれくらい保ちそうだ?」

友人「もう…長くないって…」


急いで病院へ向かったが、
着いた時にはすでにA君は息を引き取っていた。

軽トラとダンプの衝突事故

軽トラにのっていたA君は、今は全身包帯に
包まれ、もう起きる事はない。


涙は出なかった。
でも悔しかった。





現在 アパート前

友人「…う…だっき…脱臼!」

脱臼「うあ?」

友人「なに、ぼ~っとしてるの?」

脱臼「何時来た?」

友人「さっき来た。 まったくさ… 
   今日はちゃんと…」

脱臼「笑顔で送ってやらねぇとな。
   死んだこと、悔しくなるくらいに。」

友人「そうだね(`・ω・´)」
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